海外で働くワーママのトライリンガル子育て

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実力主義とアファーマティブアクション

企業に於いて真の実力主義なんてあるのだろうか。

アファーマティブアクションは必要なのか。

 

 

とある方がブログで『実力主義で良いじゃ無い!アファーマティブアクションなんて要らないじゃない!』と仰っていて。でも真の実力主義なんて本当にあるの?と疑問に感じるのです。これを機に少し考えてみました。

 

 

BLM騒動を観察して、白人社会ではマイノリティなアジア人として、日本では帰国子女として、大学生の頃は女子が1割の学部で、日本で働いていた頃は同期女子の比率が2割の総合職として、常にマイノリティだった自分の体験を振り返って、真の実力主義なんて存在し無い、と思っています。それは人間は誰しもがアンコンシャスバイアスを抱いているからです。

 

 

職場では人が他人を判断(特に雇用・昇進に関して)する基準の中で大事なのが、その人を好きかどうか、信用出来るかどうかが成果よりも遥かに大きな決め手になります。人がどうやって他人を好きになるか、信用するかと言うと、その判断を左右する大きな要素が、価値観を共有しているか否かです。となると必然的に、同じ性別だったり、似た環境で育ったり、似た環境で教育を受けたり、同じ趣味をもっていたり。となると同じ肌の色で同じ宗教で似た様な社会環境・教育機関で育った同性の人を信用しますよね。だってあ、うんの呼吸で意思疎通が出来るのですから。

 

 

参考:フォーブス記事

Here Is Why Organisations Need to be Conscious Of Unconscious Bias

 

 


閉鎖的なサイクルを打破するために、ダイバーシティを広める切っ掛けとして、アファーマティブアクションは必須だと思います。

 

 

アファーマティブアクションアメリカで導入されたのはケネディ政権の時代です。当時は黒人や非白人は例えば均等な雇用機会を与えられなかったり、公共行事の入札に参加できなかったり等、アメリカ社会で成功するチャンスを与えられていませんでした。

 

アファーマティブアクションに関して特に大学入学の面では賛否両論です。高校を卒業するまで私立の進学校で猛勉強して来た主に白人の学生と比べると、同じスタート地点から出発していない黒人の学生は学力の面で苦労し、自尊心を失い易いから、肌の色に応じた特別入学枠は本人達の為になっていないのではないかとの説があります。学力の差は特にSTEM(所謂理系科目)で顕著だそうです。

 

参考:ニューヨークタイムス紙

Opinion | Does Affirmative Action Do What It Should? - The New York Times

 

 

その反面で、自分より出来る人達と切磋琢磨することで人は伸びる。最初は辛くても本人の頑張り次第だし、成績が芳しく無くてもそれはそれで良いのでは無いかとか(だって結局は曲線ですから)、頭は良いのだから苦手な面をクリア出来る様にサポート体勢を作れば良いのでは無いかとの意見もあります。

 

 

アファーマティブアクションがないと閉鎖的なサイクルは永遠に切れないので、結果が完璧で無くても、マイノリティにチャンスは与えるべきだと思います。そしていつの日かアファーマティブアクションが要らない世の中になれば良いのです。ダイバーシティが進んでいる会社ほど経営が順調って研究結果も有りますしね。

 


参考:フォーブス紙

More Evidence That Company Diversity Leads To Better Profits

 

 

 

 

200年前のメンタリティで、ガチに白人社会な会社の本社で埋もれているマイノリティ日本人・女・ワーキングマザーとしてのフラストレーションがちょっと篭った記事になってしまいました。笑)そんな我が社はアンコンシャスバイアスもアファーマティブアクションも異次元の概念ですね。インスタでは『人種差別反対!』とか言ってますけどね。意味分かって言ってる?